ホムンクルスの妙な冒険


あなたの思っている「自分という存在の感覚」とはどんなものであろうか?
以前本サイトの掲示板でそれについて意見交換を行ったことがあるが、
その時ある人は「自分というのは上半身の方に集中している」と語り、
またある人は「もっと小さいかも」と語った。
そして私は、「意識すれば手足にまで感覚が広がるイメージ」と語った
のだが、これらのどれかに正解や間違いがあるというわけではない。

ただ、脳の中では人間は見ためとはまったく異なるイメージ
「自分という存在の感覚」として持っているのだ。

カナダの脳外科医、ペンフィールドが1933年にてんかん治療のために
開頭手術をおこなっていたのだが、その際に人の大脳皮質を電気刺激し、
脳の中のどの部分が体の感覚を司るのか、どの部分が運動に関係している
のかなどについて調べていった。

するとこれは実に奇妙な形になった。
体の表面積と比較すると、手足や顔に当たる部分の脳の範囲がとても広く、
他の部分はとても貧弱なものとなったのだ。

…これについてはある程度わからないでもない。
指先の感覚は敏感だし、五感を司る目、耳、鼻、舌などにも脳内のリソースが
割り振られていると考えるのはまぁ自然なことではなかろうか。
となるとそれ以外の体の部位には、そんなにリソースが割り振られていない
ということになる。

体のパーツとそれを制御する脳の範囲との対応関係を、体部位局在という。
まさに局在している。
このような局在を3Dモデルにしたものを「ペンフィールドのホムンクルス
と呼ぶ。

ホムンクルスといっても本来は人造人間のことではない。
本来のホムンクルスとは「人間の中にある小さな人間のような存在」である。
実のところホムンクルスが人造人間扱いになってしまったのは錬金術師
パラケルススのせいだといっても過言ではない。

で、ホムンクルスを作るために人間の精子を培養すると出来るとか言い
出したせいかどうかはわからないが、ともかく、精子の中にホムンクルスが
いて、それが受精の際に卵子に入り、で人間の胚発生につながるとされた。
この考え方を前生説と呼ぶ。
どんだけ女性蔑視だ…ってそういうことでもないかもしれないけどさ。

実際のところは細胞分割によって胚形成が行われ、その後系統進化の
反復を行って人間になるわけなんだけれども。

話が前後したが、このペンフィールドのホムンクルス、実に奇妙な形だ。
人間はこのような形で外界を認識している…のかというとそうでもない。
さらにこのあと、脳でさらに情報処理を行うことで最終的な認識を
行うわけだ。

ちょっと疑問もある。
このホムンクルス、人によってどの程度同じなのだろうか?
もちろん基本的な感覚は一緒であろう。
だが、感覚が鋭い人とそうでない人などでその形が違うということが
あるのだろうか?

…むしろどっちかというとその後の脳内の情報処理による影響の方が
やっぱりでかいんじゃないかと。
当然、身体的訓練などもその後天的脳内情報処理に使われるはずだ。
後天的な訓練によるチューニングがあってこそ、ホムンクルスも働くと
いうものである。

逆に、体の一部が欠損しても脳内にその部位は残っているわけだ。
俗に言う幻肢という現象などもそれに関連するのではなかろうか。
ないはずの手足が痛い。
ホムンクルスが痛みを感じている」といってもいいかもしれない。

ある意味幻の存在でありながら実在する奇妙な小人。
我々の中の最も近く最も遠い存在。人間はその存在を今や知っている。
かつての幻想の存在のホムンクルスと今我々の知るそれは似て非なる
ものである。
…我々はその存在にどこまで近づけるのであろうか?

「真実に向かおうとする意志」さえあれば、たとえ今回は完成しなかったと
しても、いつかはたどり着けるのではないか?
向かっているのだから。違うかい?(荒木飛呂彦「JOJOの奇妙な冒険」)

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